ここでは、ポスドク1年目に学振PDに応募して、平均点で落っこちた話をしたいと思います。

まずは、学振PDの基本情報を。
学振PDは学振DCのポスドク版。違いは単純に給料がアップするのと3年間研究できるという点だろう(ちなみに海外学振は2年だっと思う。なぜ短いのか…)。また、DCとのつながりで注意することがあるとすれば、学振PDは学位を取った研究機関を受け入れ先の研究室に指定できない。どうやら、同じ研究室で同じような研究をやるなということらしい。ただ、特別な理由がある場合は、それが許されることもあるらしい。
学振PDの申請書のフォーマットは、学振DCとよく似ているが、全体的に書く量が増えている。また、学振DCの申請書であった自己評価がなくなっており、その代わり推薦書が2通必要になる。これはネット上のシステムからどなたかにお願いして書いてもらうものなのだが、なかなかめんどうくさかった。学振DCの審査では将来性が重視される一方、学振PDの審査ではこれまでの実績が重要視されるらしく、論文や学会発表などがある程度ないと厳しいそうだ(これはDCでも言えるが)。
学振申請のめんどくさいところは、応募する所属機関を通して、書類を提出しなければならないところだ。なので、学振PDに応募する時は早めに、応募先を連絡をとるのが必須と言える。

さて本題ですが、ここで落ちたときの成績を載せてみたい(落ちた場合に成績が見れる)。

■不採用者のうちのおおよその順位 B
A 不採用者の中で上位20%
B 不採用者の中で20%~50%
C 不採用者の中で50%以下

■評点結果
①申請書から推量される研究者としての能力、将来性 3.67
②研究実績 4.00
③研究計画 3.00
④研究評価 3.00
(満点5)

■総合評価Tスコア 2.934

以上のような成績でした。ここからわかるのは平均よりすこし下くらいの成績だった、ということでしょうか。この時の合格率が26%(面接予定者含む)だったことを考えると、合格には遠い点数であることがわかります。採用には平均で4.00程度必要だと聞いたこともあります。

スコアを見て感じたのは、③と④が平均点どまりで、評価者を引き付けるものがなかったのだろうなという点でした。
具体的な改善点としては
・研究がどのようなインパクトをもつのかの記述が弱かった(自分でも申請書を下記ながら勉強不足を感じていました)。
・研究計画に、計画がうまくいかなかった場合の記述があまりなかった。
の2点が浮かびました。

学振DCに受かったことがあったので、今回もなんとなかるのではと淡く甘い期待を抱いていたのですが、見事に門前払いを食らったという印象です。
唯一少し安心した点は、研究業績は4.00をもらえていた点です(逆に言えば、これを活かせなかったわけですが…)。この時点で業績は、筆頭論文5件、非筆頭論文1件、国際学会筆頭口頭査読あり5件といった内容でした。分野によっても論文の出やすさが違うので、一概に言えませんが、物理・工学の分野ではこれくらいあれば4.00がもらえるようです。

この結果を受け、この年に応募したポストは全敗しました。
また精進して来年がんばるか…と思った2016年の秋でした。